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【試験対策 | 一等 | 学科試験 | 計算問題】 無人航空機操縦士試験合格にむけてのポイント

ここでは、ドローン国家資格試験 一等学科試験の出題範囲の中から
計算問題の解き方のポイントについて解説していきます。

無人航空機操縦士 一等資格 合格に向けて 一緒に学んで行きましょう!

はじめに

無人航空機操縦士 一等資格 学科試験の内容について見ていきます
試験概要を把握する事により、学科試験における計算問題の重要性が解ります。

一等資格 学科試験 出題数

一等の学科試験では75分間に70問出題されます。

二等相当 50問
一等   20問
合計   70問

合格に必要な正解数は?

合格には二等相当、一等共に90%以上の正解が必要です。

二等相当
50問の90%以上を取るためには、
45問以上の正解が必要 となります。

一等
20問の90%以上を取るためには、
18問以上の正解が必要 となります。

一等問題は2問以上間違えることができません。

計算問題は5問程度 出題されます

一等資格の計算問題の出題範囲は大きくわけて5つあります。
各1問ずつ計5問出題されることが予測されます。

これら5問の計算問題に確実に正解することで、大きく合格に近づきます。

計算問題の難易度は?

聞き慣れない専用語句や、計算用語が出てきますが、
基本的には電卓を使用し、かけ算、割り算、ルートの計算、で解くことができます。
中学校の数学レベルで解くことができます。

一等資格 学科試験 時間配分の目安

二等相当   50問(30分)
一等     15問(30分)
一等計算問題  5問(15分)
合計     70問(75分)

計算問題は1問あたり3分で解けるようになることを目指して下さい

一等資格 学科試験 計算問題に正解する為のアドバイス

  • 【最重要】10個の公式を覚える!
    ※公式にはP、L、ρ、V、ω、W 等、記号が出てきますが、まずは「漢字」で覚えることをお薦めします。
    ※この記事では記号は使用せず、漢字で表記します。
  • 公式はノートに書いて覚える!
    ※朝・夜1回ずつを10日程度で覚えられます。
  • 同じ問題を繰り返し解く!
    ※日を開けて3回は解いてください。
  • 電卓の使い方に慣れる!CBT試験体験版(例題3)で電卓機能を試すことができます
    ※試験では電卓の持ち込みは出来ません。試験会場のPC画面で電卓を使用できます。
  • 計算途中のメモを綺麗にとる
    ※会場で配布されたメモ用紙とペンを使用することができます。

1、消費パワーについての計算問題(難易度★★★)

【使用する公式】
公式1・機体重量 = 揚力 ∝ 空気密度 × 飛行速度²
公式2・回転翼の推力 ∝ 空気密度 × 回転角速度²
公式3・機体重量 = 回転翼の推力

公式4・消費パワー(仕事率) ∝ 空気密度 × 回転角速度³
公式5・消費パワー(仕事率) ∝ 回転翼の推力 × 回転角速度

∝は比例を表す記号です

オリジナル例題1−1

回転角速度350rpmで、仕事率12Wのヘリコプターの回転角速度を420rpmに上げた場合の仕事率は何Wか?
ただし、空気密度は関係しないとする。

ポイント
・消費パワー(仕事率) ∝ 空気密度 × 回転角速度³

 仕事率は、回転角速度の3乗に比例する (空気密度関係しないものとする)
 ∝は比例を表す記号です

回転角速度の変化を求める
420 ÷ 350 = 1.2
1.2倍に変化したことが分かる

仕事率は空気密度 × 回転角速度³ と比例関係があるので、
12 × 1.2³ = 20.73 W

答え 20.7 W

オリジナル例題1−2

仕事率8W回転角速度300rpm機体重量10kgの回転翼航空機(マルチローター)が
2kgのペイロードを搭載し、回転角速度を400rpmに上げた場合の仕事率は何Wか?
ただし、空気密度は関係しないとする。

ポイント
・消費パワー(仕事率) ∝ 機体重量 × 回転角速度

 仕事率は、機体重量 × 回転角速度に比例する
 ∝は比例を表す記号です

※下記の式を応用し、回転翼の推力に機体重量を当てはめる
機体重量 = 回転翼の推力
・消費パワー(仕事率) ∝ 回転翼の推力 × 回転角速度

ペイロード搭載前、搭載後の
機体重量 × 回転角速度 の変化を求める

(搭載前)
10kg × 300rpm = 3000

(搭載後)
※機体重量10kg+ペイロード2kg = 計12kg
12kg × 400rpm = 4800

(搭載前)÷(搭載後)
4800 ÷ 3000 =1.6
仕事率が1.6倍に変化したことが分かる

機体重量 × 回転角速度仕事率と比例関係があるので、
搭載前の仕事率8Wを1.6倍すると搭載後の仕事率がわかる
8 × 1.6 = 12.8 W

答え 12.8 W

2、旋回半径についての計算問題(難易度★★☆)

【使用する公式】
公式6・ 旋回半径 = 飛行速度² ÷ 重力加速度 ÷ tanθ

ポイント
・tanθにバンク角を当てはめる

オリジナル例題2−1

飛行速度40m/s、バンク角20°、重力加速度9.8m/s²、tan20°≒0.36の場合の旋回半径は何mか?

・ 旋回半径 = 飛行速度² ÷ 重力加速度 ÷ tanθ

バンク角20°をtanθに当てはめる
40² ÷ 9.8 ÷ tan20°
= 1600 ÷ 9.8 ÷ 0.36
= 453.51

答え 453.5 m

オリジナル例題2−2

飛行速度60m/s、バンク角15°、重力加速度9.8m/s²、tan15°≒0.27の場合の旋回半径は何mか?

・ 旋回半径 = 飛行速度² ÷ 重力加速度 ÷ tanθ
飛行速度60m/s、重力加速度9.8m/s²、バンク角15°をtanθに当てはめる


= 60² ÷ 9.8 ÷ tan15°
= 3600 ÷ 9.8 ÷ 0.27
= 1360.54

答え 1360.5 m

3、滑空距離についての計算問題(難易度★☆☆)

【使用する公式】
公式7・滑空距離 = ある高度 × 揚抗比

オリジナル例題3−1

飛行機が高度400m、揚抗比15である場合の滑空距離は何mか?


・滑空距離 = ある高度 × 揚抗比
高度400 m、揚抗比15 をあてはめる

= 400 × 15 = 6000

答え 6000 m

オリジナル例題3−2

飛行機が高度180m、揚抗比30である場合の滑空距離は何mか?


・滑空距離 = ある高度 × 揚抗比
高度180 m、揚抗比30 をあてはめる

= 180 × 30 = 5400

答え 5400 m

4、墜落までの水平距離についての計算問題(難易度★★☆)

【使用する公式】
公式8・墜落までの水平距離 = 飛行速度 × √(2 × 高度 ÷ 重力加速度)

ポイント
機体重量は墜落までの水平距離に影響しない

オリジナル例題4−1

飛行速度30m/s、高度490mで揚力を失い落下を始めた機体重量30kgの無人航空機が、地上に墜落するまでの水平距離は何mか?
重力加速度は9.8m/s²とする。


・墜落までの水平距離 = 飛行速度 × √(2 × 高度 ÷ 重力加速度)
速度30m/s、高度490m、重力加速度9.8m/s² をあてはめる

= 30 × √(2 × 490 ÷ 9.8)
= 30 × √100
= 30 × 10
= 300

答え 300 m

オリジナル例題4−2

飛行速度20m/s、高度196mで揚力を失い落下を始めた機体重量15kgの無人航空機が、地上に墜落するまでの水平距離は何mか?
重力加速度は9.8m/s²とする。


・墜落までの水平距離 = 飛行速度 × √(2 × 高度 ÷ 重力加速度)

速度20m/s、高度196m、重力加速度9.8m/s² をあてはめる

= 20 × √(2 × 196 ÷ 9.8)
= 20 × √40
= 126.49

答え 126.5 m

5、フレネルゾーン半径についての計算問題(難易度★★★)

【使用する公式】
公式9 ・フレネルゾーン半径 = √ (波長 ×(送受信アンテナ間距離 ÷ 4) )
公式10・波長 = 3 ÷(周波数GHz × 10)

ポイント
・2.4GHzの波長は 0.125 m

よく出てくる波長なので「0.125」は覚えておくと便利です!

5.7GHz の波長は 約0.053 m

オリジナル例題5−1

送受信アンテナ間距離 500 m、使用周波数2.4GHzのときのフレネルゾーン半径は何mか?

・フレネルゾーン半径 = √ (波長 ×(送受信アンテナ間距離 ÷ 4) )

2.4GHzの波長 0.125、送受信アンテナ間距離 500 m をあてはめる

= √0.125 × ( 500 ÷ 4 )
= √15.625
=3.95

答え 4 m

オリジナル例題5−2

送受信アンテナ間距離 3000 m、使用周波数2.4GHzのときのフレネルゾーン半径の60%カバーするアンテナ高さは何mか?

・フレネルゾーン半径 = √ (波長 ×(送受信アンテナ間距離 ÷ 4) )

2.4GHzの波長 0.125、送受信アンテナ間距離 3000 m をあてはめる

= √0.125 × ( 3000 ÷ 4 )
= √93.75
= 9.682 m

フレネルゾーン半径の60%を求める

9.682 × 0.6
= 5.80

答え 5.8 m

まとめ

一等資格 学科試験合格には 5問出題される計算問題の正解が重要になります。

慣れない公式や、専門用語で抵抗を感じたり、難しいと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
公式さえ覚える事ができたら、かけ算、割り算、ルートの計算を使用して解くことが出来きます
例題を通して、計算問題に慣れて頂き自信を持って一等資格の学科試験を受験していただけたらと思います。

実際にドローンを飛行する際の経路設定、安全マージンの設定などに必要な計算スキルです。
是非お役立て下さい。

株式会社KUROFUNE DRONEでは一等資格講習を実施しております。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。

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